思わず足を止めた、リスボンのドアノブたち
- a0218m
- 4月25日
- 読了時間: 3分
リスボンの住宅街を歩いていると、ふと足が止まる瞬間がありました。
視線の先にあるのは、外観の色鮮やかなアズレージョ(タイル)……ではなく、
その中心に鎮座する「ドアノブ」です。

「アズレージョじゃなくて、ドアノブ?」と思うかもしれません。
でも、ポルトガルのドアノブは、あの鮮やかなタイルに負けないほどの強い存在感を放っているのです。
その素材感と佇まいがあまりにかっこよくて、私は思わず夢中でシャッターを切っていました。

ドアノブにも装飾が施されるだなんて、ポルトガルの建物に対する素材感って本当にかっこいいな!と感じていたのですが、私が日本に帰国後、ポルトガル人の友人が、なんとも偶然にもインスタでドアノブの写真をアップしていたのです!
「ドアノブって、現地の人にとっても“撮る対象”なんだ」
そう思って連絡してみると、彼はこんなことを教えてくれました。
「古いドアノブには、ちゃんと意味があるんだよ」
(ちなみに彼のお父さんは建築家で、彼は建物や装飾への造詣が深い人でした。ありがたや。)
ポルトガルで「アルドラヴァ(Aldravas)」と呼ばれる、このドアノブ=ドアノッカーは、単なる装飾ではなく、それは、そこに住む人の「アイデンティティの表明」そのものだったようなのです。

アルドラヴァのスタイルやモチーフには、かつてこんな意味が込められていたといいます。
(AIで情報を補足しております!)
家族の富や社会的地位: 素材が鋳鉄なのか、黄金色に輝く真鍮や希少なブロンズなのか。
職業の誇り: 医師であれば医療のシンボルを、船乗りであれば「いかり」を。
信仰の深さ: 十字架や天使の像など、カトリックの国らしい祈りの形。
<モチーフが表すもの>
手(Mão) — 最も象徴的なモチーフ。鋳鉄や真鍮で作られた手(多くは優雅な女性の手)が球や棒を握った形。歓迎・友好・守護を象徴します。
握り拳(Punho) — 握り締めた拳で、力と権威を表します。
動物 — ライオン、馬、イルカ、ニワトリ(有名なガロ・デ・バルセロス)、犬など、それぞれ象徴的な意味を持ちます。

人の顔・頭 — グロテスクな仮面、ムーア人の顔、天使の像など、バロック美術の影響が見られます。
十字架 — ポルトガルの深いカトリック信仰を反映しています。
航海モチーフ — リスボンやポルトなど沿岸の町では、大航海時代を称えるいかりや船のデザインが多く見られます。
<伝統的なノッカーに使われた素材>
鋳鉄(ferro fundido) — 最も一般的で耐久性があり、手頃な価格
真鍮(latão) — 裕福な家庭で使用され、黄金色に輝く
ブロンズ(bronze) — 希少で、大きな邸宅に見られる
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その家の主がどんな人間で、何を大切に生きているのかを、訪れる人は扉を叩く前にこの小さな金属から読み取っていたんでしょうか!?
こうしてドアノブの意味を知ると、それは単なるディテールではなく、その国の美意識や哲学に触れるための“入り口”のように思えてきます。
みなさんもリスボンに行くことがあれば、ぜひアズレージョだけでなく、他にどんな装飾のドアノブがあるのかなと、住宅街を歩いてみていただけたらと思います!



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